ピロリ菌について

ピロリ菌は、1983年にオーストラリアのウォーレン博士とマーシャル博士によって発見された「らせん状」の細菌で、人の胃の中にしか生息しないことがわかっています。

このピロリ菌は、幼少時(4〜5歳頃)に感染し、持続的に胃粘膜の炎症を起こしていきます。慢性的に胃の粘膜の炎症が続いていると胃粘膜がうすく萎縮した「慢性萎縮性胃炎」になっていきます。

ピロリ菌が発見されるまでは、
胃粘膜の「萎縮」は、単なる胃の老化現象と考えられていました。
しかし、ピロリ菌の感染がなければ、
年をとっても胃粘膜の萎縮が進んでいないことがわかりました。

ピロリ菌の感染がなければ、胃は若いまま健康な胃粘膜の状態でいられるのです。

ピロリ菌の感染があると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍をはじめ、胃ポリープ、その他
さまざまな胃の病気になりやすいことも確かめられています。
除菌が成功し、炎症が治まれば、次第に健常な胃粘膜の状態に戻ることができます。

ピロリ菌に感染している方は、胃がんをはじめとする種々の胃の病気になるリスクを下げるために、除菌治療を受けることをおすすめします。

以前は、ピロリ菌の除菌治療で保険が適用されるのは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断された方、早期胃がんで内視鏡治療後の方などに限られていましたが、2013年2月以降は、内視鏡で胃炎が確認され、ピロリ菌の検査で感染していることがわかったときは、保険で治療を受けることができるようになりました。
ピロリ菌の検査、除菌後の効果判定、二次除菌に関する治療なども、保険が適用されます。